スマホ社会の弊害
電車に乗ると、ほとんどの人がスマホをいじってる光景をふと奇妙に思ったことはありませんか?スマホの普及による情報過多社会の中で生活する現代人は、脳が常に情報処理を行っており、スマホがなかった時代に比べて脳が疲労しています。そのような時代で生きる私たちにとって、Be present(今に在る、今に集中する)な状態でいることはとても大切であると言われています。今回は、Be presentの考え方と実践方法をお伝えします。
※若干宗教染みた話だと思う方がいるかもしれませんが、私は正真正銘の無神論者です(笑) そんな宗教に全く縁のない私が、心の雑念を取り払い自分と向き合うために、お手本となる考え方を自分なりに落とし込んだものであることをご理解ください。
1. スマホ社会の弊害
情報過多、マルチタスク時代
初めてスマホが世の中に浸透し始めたのは、今からたった12年前の2008年だそうです。スマホがなかった2000年ごろと比べると、現代人の日常から仕入れる情報量は、約7100倍にも増えているというのは驚きです。
歩いていてもスマホ、通勤・通学電車でもスマホ、休み時間やお昼の時間もスマホ、夜寝る前までスマホ・・・とにかくスマホなしの生活が考えられないという方がほとんどなのではないでしょうか。
また現代は、1つの情報だけでなく、例えばTwitterを見ながらInstagramやFacebookもチェックするなど、様々な情報を同時に仕入れ処理することが求められるマルチタスク型社会ともいわれています。そんな膨大な情報の中で生活する現代人の脳は、常に情報処理に追われており、1日の中で脳を休める時間がほとんどないと言われています。
現代人が抱えるストレス
スマホは飛躍的に人々の生活を便利にしましたが、スマホを見ているだけで不必要な情報も沢山入ってくるので、幸福度が下がってしまうことが多々あります。私も経験したことがありますが、FacebookやInstagramなんかは投稿者によって「盛った」投稿がほとんどで、その人の良い面しか載せないため、時に無意識に比較をしてしまい、結果自分に劣等感を抱いたり、他人を羨ましく思ってしまったりします。そもそも自分と他人を比較すること自体が無意味なのですが、苦しい時にそのような情報が目に入ってくると、どうしてもマイナスに考えてしまいますよね。
現代人は、不必要に外部と自分を比較することでストレスがたまり、自己肯定感を下げてしまう人が多いのです。
情報過多社会で急増した精神障害
スマホの普及とともに増加した精神病にうつ病や不安障害があります。アメリカの研究機関によると、毎日5時間以上スマホを使っている若者の約半数が自殺を考えたことがあるという結果が出てるというので驚きです。その根端には、やはり他人と自分を比較することによって自己肯定感が著しく下がってしまい、気がめいってしまった人が自殺を考えたりするようなうつ病を発症させるのです。
そんな容易に他人と比較してしまう情報過多社会にいる私たちは、どのようにすればよいのでしょうか。
2. Be presentとは
Be presentの基本的な考え方
禅の中に''前後裁断''という言葉があるのですが、同じような意味で''Be present''という考え方があります。
意訳をすると今の瞬間を大切にする、今に集中するという意味になります。過去・現在・未来はつながっているように思われがちですが、精神の世界では一瞬一瞬の今が積み重なって時が流れていくと考えられています。もちろん、過去の失敗を繰り返さないために過去の出来事は忘れてはいけないとか、着実に未来を設計しないととんでもない人生になるなど色々な考え方はありますが、一つ確実に言えることは過去を振り返っても過去は変えられない、未来の心配をしてもその想像している未来は今起こっていないということです。
Be presentで得られること
日々苦しみや不安に悩まされている人は、今に集中するのではなく、過去の出来事や未来への不安に心が支配されていることが多いです。過去に大切な人をなくし、心に大きな傷を負ってしまった方や、いまおかれている厳しい状況の中で、未来へ希望を見いだせないような方に「今に集中しましょう」なんて言ったところで、反感を買うだけかもしれませんね。
しかしながら、Be presentの考え方にある通り過去は変えられず、未来はまだ起こっていないのです。今を大切にし、一瞬一瞬を懸命に生きることこそが、自分を大切することにつながり、結果人生を豊かにすることにつながることは、理屈ではなく実践した方にしかわからない利点だと思っています。
外の世界に振り回されない自分を形成するには
なんで自分だけこうなんだろうとか、自分は人より不幸だと思う自己肯定感が低い方は、まずはそんな考えを持つ自分さえも認めることから始めましょう。自分を認めることは、自己肯定感を高める最初のステップだと私は考えます。自分の良い部分も悪い分もすべて合わせて「自分」で在ることを理解し、他人と比較して自分をジャッジすることを辞めてみると、少し気分が楽になることがあると思います。
それができたら、Be Present(今に集中する)を意識しましょう。外部はあくまで外部であり、自分ではありません。自分は唯一無二の存在であることを意識し、過去のしがらみや、未来への不安を取り除くと自然体の自分でいられます。
3. Be presentを日常生活に取込む
様々なMeditation(瞑想)
私の経験してますが、Be presentでいたいと思っても実際はそう簡単に実行できるものではありません。今までごはんを食べるときにフォークとナイフしか使用しない西洋人に、「じゃあ今日から箸だけで食事をしてください」と言ってもできませんよね。
人は長年培ってきた思考回路を、そう簡単に変えることはできないのです(これを心理学では中核思考(スキーマ)と呼びます)。
そんな私でも少しずつBe presentでいることを意識できるようになったのは、瞑想を初めてからです。今や瞑想には、寝る前に呼吸に意識をしながら頭を空っぽにする呼吸瞑想、普段歩いているときに足の感覚に神経を集中する歩行瞑想、他人に対して幸せを願う慈悲瞑想など、様々な瞑想方法があります。これらすべてに共通する事項は、1つのことに集中することです。逆を返せば、そのほかのことは一切考えないようにするということです。
私が実践しているBe present
私がBe presentでいるために、実践していることは、寝る前にヒーリング効果の強い音楽を聴きながら呼吸瞑想を5分間することと、ヨガをすることです。どちらも呼吸に目を向けて、自分の心を落ち着ける効果があるのですが、イライラした後に呼吸瞑想を行うと、自分の呼吸がとても浅かったり、一定ではないことに気づきます。
呼吸瞑想を行うことで、不思議と不安・いらだちなどが消えていき、まさに今に在ることを自分の呼吸を通じて感じられるようになります。心と体がとてもリラックスした状態になるので、そのまま寝てしまうこともあるのですが、とにかく自分の色々な感情や外部の色々な情報から解放され、雑念持たない時間を持つことが大切だと感じています。
4. まとめ
情報過多社会にいる私たちは、自分の心は自分で守らなければいけないということを念頭に置いた上で、うまく情報を処理し、外部と関わっていく必要があります。しかし、頭ではわかっていても、自分の心をコントロールすることは容易ではないはずです。実際私自身がそうでしたので・・・
そんな時に、Be presentの考え方を思いだしていただき、今に在ることに集中することで読んでいただいた方の気持ちが少しでも楽になれば幸いです。
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