Misa’s Mindfulness Blog

心理カウンセラーが日英中のパワーワードをご紹介します。

<中国語⑨>一人っ子政策に対するツケ

一人っ子政策ってご存じですか?中国で1979年から2016年まで続いた国家政策です。当時政府は、人口爆発食料の不足の懸念から人口抑制の得策してはじめ、二人目ができたら中絶を強要する、もしくは罰金を払うなど世界から人権の損害と非難を浴びながらも、なんだかんだ30年以上続いてきました。

しかし、ここにきて労働力の減少及び高齢化社会の問題から、2016年より一家族二人まで子供を持つことを許可されましたが、実際多くの若者は2人目の子供を望まず出生率は減り続けています。

私と同年代(平成生まれ)の若者は「子供を育てる=お金がかかる」という考えが強く、二人目も欲しいけれど金銭的に難しい。ゆえに一人の子供を大切に育てあげるということを重点に考えています。

今回はそんな中国人の子供に対しての考え方を、歴史の背景とともに解釈していきたいと思います。

 

 

 

 

1. 本日のMindfulness word

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现在的父母都把自己的独生子女看得像心肝一样。

把.../bǎ : ~を

独生子女/dúshēngzǐnǚ : 一人っ子

心肝/xīngān : 心、心の底。

一样/yīyàng : 一緒

 

日本語意訳

現在の両親は自分たちのたった一人の子供を、まるで自分の心そのもののように扱います。

 

2. 意味を深掘りして考える

小皇帝と呼ばれる80后と90后

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中国では1980年~90年代生まれの若者(中国語で80后/bālínghòu90后/jiǔlínghòuといいます)のことを小皇帝(xiǎohuángdì)と呼びます。小皇帝の意味は、まるで自分が皇帝であるかのように、わがままで自分勝手ということを揶揄しているのですが、彼らは一人っ子政策の一番の被害者であるという意見もあります。

80後や90後の若者たちは、一人っ子政策が始まったばかりの中国で生まれ、両親や祖父母のすべての愛情を一手に引き受ることになり、周りからの期待が大きく、常に期待に応えなければいけないというストレスを感じながら生きています。

大学時代の中国人の友人は、自分ひとりで両親を支えなければいけないから压力很大(ストレスが大きい)と口癖のように漏らしています。

 

 

若者の子供に対する考え方

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私と同年代(アラサー)の中国人の友人は、一人っ子政策が終わっても二人目は欲しくないと思っている人が大半です。背景として中国は日本よりもはるかに「競争が激しい」ことが関係しています。

意外と知られていないのですが、中国は超学歴社会です。普通の公立学校で勉強するだけでは、良い高校・大学に進学できない、更に良い職場に勤めることができないという考えのもと、中国人の両親は小さい頃から子供を塾に行かせます。

80年代の若者は、自分が小さい時から祖父母、両親の溺愛のもと「遊びよりも勉強の方が大事」と教えてこまれているため、自分の子供へも同様の教育方針で子供を塾に行かせることがほとんどです。

良い学校へ行かせて、良い職場で働くのを実現するため、沢山のお金を養育費に費やすので「子供にこんなに大金が必要なのだから、二人目なんて考えられない」という結論に至るのです。

 

日中の文化の違い

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日本と異なる中国文化の一つとして共働きは当たり前であるということがあります。中国では女性の社会進出は日本よりはるかに進んでおり男女平等の考えのもと、社会的に成功したいという女性がとても多いように感じます。日本の"寿退社"は中国では一般的ではなく出産を終えた女性は、遅くても産後3-4か月後には復帰します。

中国では両親の共働きが当たり前なので、子どもを面倒見るのは大方祖父母の仕事となることが多いです。平日はがっつり仕事をし、休日は子供と過ごすという毎日を送る彼らは、余計に出世欲が強く、自分の子供に対しても同様に成功してほしいと何から何まで習い事をさせるということも少なくありません。

 

4. まとめ

一人っ子政策の終焉から数年たちますが、いまだに出生率が減少しているのは若者世代の育った環境での心理が大きく関係していることが読み取れます。特に日本と比べ物にならないくらい人口が多い中国では、競争率も非常に高く彼らの心的"压力(ストレス)"は常に大きいもののようです。

中国もいずれ現在の日本のように高齢化社会で、移民に頼らないと経済が回らないという時代が来るのでしょうか。

 

 

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